Mola Tectaの振り返り Part2(東日本大会~全日本大会)

おはようございます(記事が書き終わったら朝であろうことを想定して),まんぼーです.

 

唐突な近況報告ですが,急にモチベーションが上がったのでDCマウスの設計を始めています.

 おととい始めたわりにはそれっぽいですね.ぽい.モチベが高いうちにメカ部分の大体の設計~ギアの発注等は終わらせてしまいたいです.(どうせ組んでみたらあれってなるだろう…)

余談.前作のステッパーマウス,Mola Tectaちゃんは3D CADに起こすことなく,Eagle上での設計しかしていませんでした.結果,案の定タイヤとコネクタのハウジングが干渉したりしていて,あぁこのくらいの設計でも3D CADは重要だなぁと痛感していました.DCマウスなら猶更ですね.

 

 

さて,前回Part1で東日本大会に参加してきた話まで書きました.今回は9月から全日本大会までのお話を長々と語っていきたいと思います!朝の通学・通勤などの暇つぶしにどうぞ!

では.レッツゴー!

 

9月

東日本大会が終わり,夏休みが終わり,僕は何をしていたかといいますと...

割とすぐに連続走行を実装していました.(9/3)

なおここから記録会まで,スラロームを実装することなく超信地旋回のまま進んでいきます.

 

そして問題となったのがモータドライバ(以下MD)の接触不良.ん?接触不良??なんで??って思ったかもしれません.そうです.接触不良です.私たちWMMCが使用しているステッピングモータのMDには足が23ピン生えています.全日本大会前の基板にはMDまわりのミスがたくさんあり,マイコンを焼くたびにMDを無駄にしていました(1回つけると取れないんですよねあれ).そこでピンソケットを介してMDを繋ぐことにより,着脱可能にしていたんですよね.これが仇となりました.ピンソケットの金属部分が23ピンすべて(といってもNCもありますが)とうまく導通しなければいけないのですが,MDの着脱を何回か繰り返しているうちにだんだん接触が悪化していき,かなりストレスフルになってしまいました.

MDの足に合うピンソケットも探したのですが,MD(SLA7078MPRT)の足は普通のピンソケットとは違い平べったくなっているため,うまく合うものはありませんでした.そこでまたはんだ付けをし直して新しい基板に移植したりしていました.

 

全日本大会終わったときは,次の大会まで1か月もあるから完走余裕っしょとか思ってました.そしてこの謎の余裕からか...

 

9/8~9 B'zのライブ+名古屋旅行

9/22   B'zのライブ

 

そう.B'zの30周年ライブに2回も行っていました.楽しかった.反省はしてるが後悔はしてない!

もちろんずっと遊んでたわけではなく,これに加えて25日に研究室の中間発表があり,準備に追われて中々マウスに触れることができませんでした.そして26,27,28,29と少し弄って学生大会.

 

自分が映りこんでしまっているので動画はありませんが,壁制御がうまくかからずにリタイア.調整不足もありますが,このあたりでWMMC標準プログラムの壁制御プログラムに少し疑問を抱き始めます.何を問題に思ったかというと,下の絵のような壁パターンでかなり吸い寄せられてしまうのです.

 

WMMCの標準プログラムでは,制御のON・OFFをフラグで判断していて,このフラグが切り替わるタイミングを壁判断(つまり柱のある位置)と同じタイミングで行っていました.センサの位置が柱を超えた瞬間からセンサのAD変換値が落ちていくわけですが,センサが柱を通過してからフラグが切り替わるまで,少し(結構)時間差があるのです.この間に壁がある方向に吸い寄せられ,次の区間で再び壁に吸い寄せられ,中心からずれまくっていました.

他のサークル員のマウスでは顕著に起きていなかった現象なのですが,他の機体と比べて車幅の小さいMola Tectaちゃんではこのような現象に悩まされました.

これを解決すべく,時は学生大会の1週間後へと移ります.

 

10月

 マウスをメインでやっていない時から度々耳にしていた,”精神と時の部屋”で噂の東北大会に来てしまいました.

到着は15:30頃(だった気がする).途中運転しましたが,教習所でも高速道路を走っておらず,初高速.疲れて頭が痛くなったりしてましたが,大会会場での試走会は17時まで.調整せねば.ということで調整をし始めたのですが...

 

あれ?センサ値全然とらないぞ...?

 

そうです.外乱です.東北大会の会場の照明はとても嫌な感じで,複数色の照明が天井から指していました.その影響で,使っていた安い赤外線センサが非常に反応性が悪くなってしまっていました.そして迷路の位置によっても読み取れるセンサ値が変わってる…これは....

 

あきらめよう!

 

はい.諦めました.17時まで調整しましたが,どうしようもないくらい上手く調整できませんでした.

諦めつつ,精神と時の部屋を覗いてみると...あれ?照明普通じゃん.ということで,精神と時の部屋で圧倒的進捗をあげることを誓いました.その前に腹ごしらえ.

 

とんかつ食べました.おいしかった.この東北遠征,かなり食費を惜しみなく出してましたが,帰ってきて2日間お財布の中53円の生活を余儀なくされました.

そして22時頃戻ってきまして,徹夜デバッグ開始.先ほど言っていた壁制御のコードを完全に変え(MiceさんのWikiとたからさんのblogを参考にしました.こちらからどうぞ

壁制御 [Mice Wiki]

うむ夫の歩み うむ夫。探索編(3) ~壁制御編~

),調整してみた.

 少し右に寄ってるが,とりあえずうまくいったっぽい.徹夜デバッグの進捗としては上出来でした.テキトーに良い感じのパラメータを探しながら朝の5時半まで起きていましたが,限界が来て隣の部屋へと吸い込まれていきました.

 

そして次の日,結果は言うまでもなくダメでして,そこから13時くらいまで爆睡してました.記憶は定かではないが,寝てる間お昼頃Mice?の方々のお昼の牛丼の美味しそうな匂いがしてた気がする.そして

 

 無事帰宅.

次の日から記録会の前日までは,再び研究室のプレ卒論的なものの設計に追われていてマウスの進捗はあまり生めていませんでした.合間を縫って調整してたくらい?

 

あとは,結構前から指摘されていた段差にひっかかる問題を解決すべく記録会4日前にホイールのΦを1mm大きくしたものを造形していました.

11月

 そして記録会当日.

大学での調整場所と同じような教室で,照明もほとんど変わらない状況だったので,パラメータは一切弄らずに臨みました.少し壁に吸い寄せられたりしましたが,変えまくってうまくいかなくなるよりかはマシだと思って,ひたすらに自分の番を待ちました.後半だったので結構長かった.かなりそわそわしてました.そして結果は.

 はい.ようやく大会で完走しました!ようやくマウスになれたね!速度もかなり落としての走行だったので探索から返ってきてほとんど時間を使ってしまいました.2分26秒386.

 

さて,大会が行われている間,大学では理工展と呼ばれる文化祭的somethingが行われてました.認定証をもらった後,少し顔を出しに行きました.

Part1でぼやいてましたが,基板の色に満足行っていなかった&MD周り,電源周りの回路が不安定だった&基板の在庫がなかったので,実は9月中旬にSwitch Scienceで基板を発注してました.早ければ東北大会に間に合う予定だったのですが,中国の祝日と被って発注から到着まで4週間ほどかかりました.基板を発注するときは中国の祝日には気をつけようね!

 この基板,10月16日に届いてましたが,何があるかわからないから記録会までは変えないでおこうと思い,はんだ付けだけ済ませて放置してました.大学に戻ってからすぐにモータを移植して動かしてみると....

めちゃくちゃ安定するやんお前.はよこっちにすりゃよかった.というわけでここから赤色センサを使っています.案外1か月くらいしかつかってないんですよね.

ちなみにこの大会の次の日,WMMCブースは他大学のマウス勢の方にも沢山来ていただき,大盛況でした.ありがとうございます.

 そしてこれが集合写真(マウスの).

 

理工展が終わり,12月の全日本大会の切符を手にしてしまったまんぼー氏.これはスラロームやるっきゃない!

ここでようやくスラロームを始めました.進捗はTwitterで沢山挙げているので全部貼っていきます.

11/6

 11/7

 11/9

段々形になっていく.

 11/10

そしてついに.

 ゴール座標変えていないので最後バグってますが,結構スピード速くても意外といけるやん!ってなり,この時からスピード狂と化しました.よく考えたらNHKやってた時からスピード狂だった.

 

そして11/24.WMMC最後のフル迷路展開での動画がこちら.

 Mola Tectaの中で1番速いパラメータです.全日本大会では見せられませんでした.そしてこの最後のフル迷路展開の日.とんでもバグに気づいてしまいました.スタート地点を変えると(7,7)でゴールしない時がある...‼

実はこのバグ,記録会あたりからずっと潜んでました.あまり大きな迷路で走らせてなかったので,特定の条件でないと発動せず,気づきませんでした.(大げさに言ってますが,直線区間で優先度が低いと判断した際に180度旋回するときの条件処理を書き間違えており,ロボットがいると思っている座標はそのままなのに1区間先に進んでしまっていた.)

割と初歩的なミスだが,この時まで気づかんかった.

 

フル迷路展開日の翌日から1週間,ほぼずっとマウスを触ってました.やったことは,

・180度旋回時のバグ取り

・速度テーブル3つ用意

スラロームテーブル2つ用意(遅い方のは結局安定しなかった)

・ゲインのパラメータも複数個用意

・ケツ当ての回数を減らした(櫛対策)

・最速パラメータの両櫛調整

 

最速パラメータで個人的に良いんじゃね?となっていたときはこんな感じでした.恐らくマウスすごい人から見たら細かいところ気になると思いますが....笑

11/26

※既知区間加速ではないです.

制御に関してはまだ思うことが多々あるので,DCを製作しながらステッパーで固めていこうと思います.(そんな時間ないだろ!って突っ込まれそう)

 

全日本マイクロマウス大会

そんなこんなで大会前日.この日は片頭痛の中調整してました(ロキソニン飲んで治した).前日は日差しの入り具合で調整具合が変わって大変だった.

まぁ....これなら良いかな…というパラメータは見つかったものの,姿勢制御がおぼつかないまま前日の試走会を終わりました.

 

夜は帰るのがめんどい!となり急遽厚木の健康センターなるところで1泊.体調が悪くならないよう静かにしてましたが,他大学のDCマウスを作っている方々の話をいろいろ聞けました.まだついていけない部分も多かったですが,今後のモチベーションがかなり上がった.

 

さて大会当日.曇りだったため,出走番号の遅い自分としては晴れるな…晴れるな…とひたすら願ってました.晴れませんでした.

地下の試走場とは制御の勝手がかなり違ったので,何も弄らず本番へ.かといって少し不安になったので,急遽モード選択の仕様を変え,同じスピードでゲインを少し変えた物をいくつか試せるようにしておきました.

これは吉と出ました(※尚完走はできなかった模様).

Mola Tectaがつまづいたのは赤丸のココ.

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元々かなり苦手とするパターンでした.5回中1回を除き(1回はワンチャン…?と思い1回も調整してない超信値旋回モードにしてしまった)ゲインを変えながら走らせましたが,2回は赤いところで詰まり,残り2回は16行目の直進中に死亡してしまい…リタイアとなってしまいました.2走目のパラメータを突き通せばワンチャン1回くらい超えられたのかな…とか思ったり(後の祭り)

 

反省とかとか

こんな感じでシーズンが終わったわけですが,大会を通して,課題がたくさん生まれました.とりあえず未来の自分に向けてメモ程度に書いておく感じなので,気づいたら増えてるかもしれません.突っ込みがあったらぜひお願いします.

①外乱・環境対策

これは主に東北大会・全日本大会で思ったことです.家やサークルでマウスを動かしているときは基本的に閾値等の値を弄ることはないので,外乱対策まで手が届きませんでした.来シーズンではマウス合宿の講義にあった自己バイアスを取り入れてみようかなと思ってる.

②当日のデバッグ性の向上

他のマウサーの方々を見ていると,むやみやたらにパラメータを弄ったりするのではなく,シミュレータを使ったり,センサのログを見たりしている方も多い印象がありました.センサのログを取れるようにし,自分が走らせられる回数が限られている場面(試走会等)でのデバッグをしやすくすることが重要だと思った.これはDC動かす前にステッパーでやりたい.

③壁制御の質向上?

センサ値のログが取れるようになったらこうした方が良い,等思いつくことがあるはず(はず).まだ当日のデバッグ性の向上にも繋がるが,サークルの迷路上ではもちろんのこと,大会でも安定して走るマウスを作りたい.

④迷路の情報出力

学生大会の時からやろうと思っていたが手が回らなかった.これもステッパーでやっときたい

⑤最短走行

今のWMMCの標準マウスプログラムでは,2次走行は最短走行もどきであって,最短がでるとは言ってないといった感じになっている.来シーズンでは探索のプログラムも変えて行きたい.

DCマウスにしたらそれだけでやること増えるのに,既に沢山課題ありますね...少しずつ,時間の許す限り消化していきたいと思います.

 

またまた長くなりましたが,これで今シーズンのクラシックマウス”Mola Tecta”の振り返りを終わりにしたいと思います.来シーズンは冒頭で述べた通り,DCマウスを製作していきたいです.あっ来年卒論だ…マウス作れるかな?

それでは良いお年を!7159字!